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2023.10.03

ネズミ

効果的なネズミ駆除法:お気に入りの餌活用から始まる罠作りと餌不要の巧妙な手法

「自分でネズミを駆除したいけど、罠にしかける餌は何がいいんだろう?」

どうしよう?イラスト

私たちの暮らしに潜む小さな害獣、ネズミ。そのちりも積もれば山となる存在は、私たちの食品供給システムにおいて静かなる脅威をもたらしています。その小さな体からは想像もつかないほどの繁殖力を持ち、作物や食品を汚染し、病原体を広げる可能性があります。私たちの食卓に差し出される一皿の料理にさえ、その足跡が隠れているかもしれません。そうした状況を踏まえて、ネズミとの闘いは、私たちの生活において深刻な問題となっていることは否応なく認識せざるを得ません。

本記事では、私たちの生活におけるネズミ駆除の課題に焦点を当て、効果的な対策法やアプローチについて詳しく探求していきます。ネズミはその適応力によって、農地、倉庫、住宅、さらには都市部など、あらゆる環境に侵入し、その生存戦略を発揮しています。私たちの暮らしに深刻な影響をもたらす一方で、ネズミの頭脳と行動は、私たちの駆除努力をもくぐり抜け、一層洗練された形で進化し続けています。

この記事では、私たちの生活におけるネズミ駆除の重要性とその戦略的な側面に焦点を当てます。特に、ネズミが好む餌を活用した罠作りの方法や、餌を使わずにネズミを捕獲するための巧妙なアプローチについて解説します。ネズミの好奇心と嗅覚を利用した罠作りのテクニックは、私たちがネズミとの知恵の戦いに打ち勝つための重要なスキルの一つです。

また、ネズミ駆除においては、環境や地域の特性を考慮した対策が不可欠です。記事では、地域ごとの違いや季節性を踏まえた戦略の立て方についても議論します。さらに、食品供給システムや生態系への影響を最小限に抑えつつ、効果的な駆除を行うための方法も検討します。私たちの目指すのは、ネズミとの共存を考えながらも、食品の安全を確保し、清潔な環境を維持することです。

この記事を通じて、私たちはネズミ駆除の世界に足を踏み入れ、実践的な知識やスキルを身につけていくことでしょう。ネズミとの闘いは容易ではありませんが、知識と適切なアプローチによって、私たちは食品の安全を守り、快適な生活環境を築くことができるのです。

それでは、さっそく効果的なネズミ駆除法の世界に飛び込んでみましょう。

ネズミの行動と生態の理解

ネズミ2匹

ネズミの好奇心と適応力

ネズミは、小さな体躯とふわふわの尾が特徴的な動物でありながら、その生存戦略には驚くべき知恵と適応力が宿っています。私たちの身近な存在であるネズミは、好奇心旺盛な性格と環境への適応能力の高さから、様々な状況に対応しながら生き抜いてきました。

好奇心の旺盛な生態

ネズミは、その好奇心の強さで知られています。新しいものに興味を示し、環境の変化に対して敏感に反応します。たとえば、ある場所に新しい物体が配置されると、すぐにその物体を調査し始めることがよく観察されます。この好奇心が、新たな餌や避難先を見つける際の重要な要素となっています。

好奇心がもたらすのは、ネズミたちの学習と適応力の向上です。新たな状況に直面した際、彼らは迅速に変化に適応し、適切な行動を選択することができます。このため、ネズミは都市の変化や人間の活動にもしばしば適応し、生存競争を勝ち抜いています。

適応力の高さ

ネズミは、さまざまな環境に適応する能力に長けています。都市部から農村地帯まで、さまざまな場所でネズミの姿を目にすることができますが、これは彼らの適応力の高さが一因です。ネズミは、住処や餌の入手先を変えることで、異なる環境に適応することができます。さらに、気候の変化や季節の変動にも柔軟に対応し、その生存戦略を維持しています。

たとえ話で理解するネズミの適応力

ネズミの適応力を理解するため、たとえ話を考えてみましょう。想像してみてください。ある日、ネズミたちが住んでいた場所が急に冬の寒さに見舞われました。しかし、ネズミたちは落ち葉や小さな穴を利用して温かい巣を作り、寒さをしのぎます。同じ場所にいながら、新たな状況に柔軟に対応し、生存のための工夫を凝らすのです。

このような適応力が、ネズミたちの生存に欠かせない要素となっています。彼らは環境が変わるにつれて、新しい方法や戦略を身につけていくことで、生存競争に打ち勝ってきたのです。

ネズミの好奇心と適応力は、彼らの生存戦略を支える重要な要素です。その好奇心から生まれる学習能力と、変化に対応する適応力は、私たちがネズミとの知恵の戦いに打ち勝つために理解しなければならない要点です。私たちは、これらの特性を利用しながら、効果的なネズミ駆除法を展開していく必要があります。

通り道と巣穴の特定とマッピング

ネズミ駆除の効果的な戦略を構築するためには、ネズミの通り道と巣穴を正確に特定し、それらをマッピングすることが重要です。ネズミは繁殖力豊かな生物であり、効果的な駆除のためには、彼らの行動パターンを理解することが不可欠です。この記事では、通り道と巣穴の特定方法について詳しく解説します。

ネズミは、特定の経路を通って移動する習性を持っています。これらの通り道を特定することは、ネズミの行動を予測し、効果的な罠の設置場所を決定する上で重要です。以下に、通り道を特定するためのステップを示します。

ステップ 内容
1 証拠の探索:食べ物のかじられた跡や排泄物、足跡などの証拠を探しましょう。これらは通り道の近くに存在することが多いです。
2 壁際の通り道:ネズミは壁際を好んで進みます。壁際に沿った通り道を特定し、マーキングすることで、効果的な罠の設置場所が分かります。
3 障害物の回避:障害物や隙間を避けて通ることが多いため、通り道がどのように回避ルートを取るかを考えましょう。
4 マッピング:通り道を図にまとめてマッピングし、ネズミの動きを把握しやすくしましょう。
ステップ 内容
1 証拠の探索:巣穴周辺には食べ物のかじられた跡や排泄物が多く見られます。これらの証拠を元に巣穴を特定しましょう。
2 暗く静かな場所:ネズミは暗く静かな場所を好んで巣穴として使用します。壁の裏側や家具の裏、床下などが候補です。
3 壁際の近く:通り道同様、壁際に近い場所に巣穴があることが多いです。
4 マッピング:特定した巣穴の位置を図にまとめ、駆除戦略を立てる際の参考としましょう。

 

ネズミは、小さな体の中にたくさんのエネルギーを持っています。だからこそ、彼らは食べることが大好きで、さまざまなものを食べて生きています。でも、ネズミの食事は私たちにとって問題になることがあります。なぜなら、彼らが好きな食べ物を食べることで、私たちの食べ物や家に害を及ぼすことがあるからです。

ネズミの食事はとても多様です。穀物や果物、種子、昆虫など、いろいろなものを食べます。特に甘いものや高カロリーな食べ物には目があり、チーズやパンなども好んで食べます。しかし、ネズミが好きな食べ物を選んで与えることは、彼らを引き寄せてしまうことになるため、注意が必要です。

ネズミの食事に着目して、我々が行動することでネズミとの共存をうまく図ることができます。家の周りに食べ物を置かないようにすることや、食べ物をしっかりと保管することが大切です。また、ネズミが入り込みやすい場所をふさいだり、ごみをきちんと処理することも重要です。

ネズミとの上手な付き合い方は、私たちの生活を守るために欠かせません。食べ物を守ることで、ネズミが私たちの暮らしに影響を及ぼすことを減らすことができるのです。みんなで協力して、清潔で安全な環境を作りましょう。

ネズミの食事はさまざまで、彼らが好きな食べ物は私たちの生活にもあることが多いです。しかし、ネズミとの上手な共存のためには、食べ物を守ることや環境を整えることが大切です。みんなで気を付けて、ネズミとの良好な関係を築いていきましょう。

ネズミの種類と生態

ネズミ

ドブネズミの生態

ドブネズミ(Rattus norvegicus)は、一般的にはノルウェージャンラットとも呼ばれ、都市部や農村地域など様々な環境で見かけることができるネズミの一種です。その生態は興味深く、私たちの生活に影響を与えることもあります。

特徴

どう猛な性格: ドブネズミは積極的かつどう猛な性格を持ちます。食べ物を求める際には積極的に行動し、頑強な生存本能を持っています。

多食性: 何でも食べることが特徴で、特に肉や魚、穀物など幅広い食べ物を摂取します。そのため、人間の食べ物や農作物に対する被害が大きいです。

優れた泳力: ドブネズミは優れた泳力を持ち、水中での移動が得意です。1分間に5〜8メートルを泳ぐことができるため、下水道や川辺でよく見かけることがあります。

綱渡りが苦手: 一方で、綱渡りは得意ではありません。高い場所からの落下を避けるため、綱渡りをすることは少ないです。

見分け方

大型: ドブネズミは比較的大きな体を持ちます。一般的に他のネズミよりも大きく見えることがあります。

床下に生息: ドブネズミは地下に巣を作ることがあり、床下や建物の下に生息することが多いです。

外から侵入: 外部から建物に侵入することも多く、隙間や穴を通じて入ってくることがあります。

下水溝の近く: ドブネズミは水辺を好むため、下水道や川辺の近くでよく見かけられます。

糞(フン): ドブネズミの糞は太く、先がとがっていてまとまっています。糞を見つけることで、その活動の痕跡を特定することができます。

ドブネズミは人間との共存が難しい一方で、その生態を理解することで効果的な駆除対策を立てることが可能です。建物の隙間や食べ物の保管に注意し、専門家の助けを借りながら対策を行うことが重要です。

 

ハツカネズミ

ハツカネズミの生態

ハツカネズミ(Mus musculus)は、小型のネズミであり、特に農村地域や建物周辺などで見られる種類です。彼らの生態は興味深く、私たちの身近な環境に影響を与えることがあります。

特徴

身軽な身のこなし: ハツカネズミは体が小さく、俊敏な動きをすることが得意です。そのため、狭い隙間や高い場所にも簡単にアクセスできます。

多食性: ハツカネズミは何でも食べることができる多食性の動物です。特に雑穀や種子、果物などを好んで摂取します。そのため、農作物や食品を含むさまざまなものに対して害を及ぼすことがあります。

泳ぎが苦手: ハツカネズミは泳ぐことが得意ではありません。水中での移動は苦手で、一般的には水辺での活動は少ないです。

特技は綱渡り: ハツカネズミは、他のネズミと比べて綱渡りが得意です。細い棒や配管などを使って綱渡りを行い、高い場所から落ちないようにしています。

見分け方

小型: ハツカネズミは一般的に小型のネズミであり、他の種類に比べて体が小さく見えます。

自然環境に隣接: ハツカネズミは特に農村地域や自然環境に隣接した建物に多く見られます。そのため、畑や農作物の近くでよく見かけることがあります。

糞(フン): ハツカネズミの糞は小さく、米粒ほどの大きさで、両端が尖っています。これを見つけることで、その活動の痕跡を特定することができます。

ハツカネズミは小さな体ながら、その活動が私たちの生活や農作物に影響を及ぼすことがあります。食べ物の保管や建物の隙間に注意を払いつつ、ネズミ対策を行うことが大切です。必要に応じて専門家のアドバイスを受けながら、効果的な対策を実施しましょう。

クマネズミ

クマネズミの生態

クマネズミ(Rattus rattus)は、屋内や建物の近くで見られる小型のネズミであり、その生態は興味深く、私たちの生活に影響を及ぼすことがあります。

特徴

警戒心が強い: クマネズミは非常に警戒心が強く、外敵に対して警戒心を持って行動します。急な音や異常な動きに敏感に反応することがあります。

多食性: クマネズミは何でも食べる多食性の動物ですが、特に雑穀や穀物、果物、昆虫などを好んで食べます。農作物や食品を含む多くのものに対して被害を及ぼすことがあります。

泳ぎが苦手: クマネズミは水泳が苦手で、水中での移動はあまり得意ではありません。そのため、水辺の場所での活動は限られます。

特技は綱渡り: クマネズミは他のネズミよりも綱渡りが得意です。細い棒や配管を使って高い場所から落ちないようにするために、綱渡りを行います。

見分け方

中型: クマネズミは一般的に中型のネズミで、体がほどよく大きく見えます。

高い場所にいる: クマネズミは天井にいたり、壁伝いに移動したり、配管を登ったりすることがあります。

音がする: クマネズミは天井や屋根裏で活動するため、家の中で軋む音や鳴き声が聞こえることがあります。

巣がある: クマネズミは家の中に巣を作ることがあり、特に暖かい場所を好みます。天井裏や隙間、壁の中などに巣を作ることがあります。

糞(フン): クマネズミの糞は動きながら排泄するため、バラバラに落ちており、細長い形状をしています。

クマネズミは、その警戒心の強さや食性により、私たちの生活に影響を及ぼすことがあります。巣や食べ物の保管に注意を払いつつ、専門家のアドバイスを受けながら対策を行うことが大切です。

フンの形状は?

ドブネズミの糞
1~1.5cmほど
ずんぐりしており一方が細くなっている

クマネズミの糞
1cm前後
細長くて一方が細くなっている

ハツカネズミの糞
0.5cm程度
両端が同じように丸くなっている

ゴキブリの糞は0.2cm~0.3cm程度で、表面にしま模様があります。
ゴキブリの糞とネズミの糞とではサイズが違うので分かりやすいと思いますが、ネズミの糞には必ずネズミの毛が含まれていますので、それで判断するのもよいでしょう。

ネズミのフン害

ネズミの糞を片付ける前にデジカメ(スマートフォン)で状況を撮影しておくことをオススメします。
自分で駆除撃退できた場合は問題ありませんが、万が一、駆除がうまく行かなかった場合は業者に依頼することになります。
これからの状況証拠は、ネズミを駆除するためにはとてもよい判断材料になるからです。

ネズミのフンを掃除するときはマスク手袋必須で!

※注意※
ネズミの糞を掃除するときは、安全対策のため必ずマスク・手袋を着用の上で行ってください。
ネズミの糞には大量の病原菌が含まれているので、取扱には十分気をつけてください。

さて。家の中に侵入してきたネズミが何者なのか判別できたでしょうか?

なぜネズミの種類の判別を最初にしたかといいますと、ネズミが好む食材は、種類によって若干違っているからです。

  • ■ドブネズミ
    種子、穀物のほかに肉類や魚介類を好む傾向があります。
  • ■クマネズミ
    種子、穀物、果実
  • ■ハツカネズミ
    種子、穀物、野菜類
粉類 小麦粉、トウモロコシ粉、大豆粉、魚粉、さなぎ粉
粒類 麦、大豆、とうもろこし、ピーナッツ、その他の穀類、種子や木の実
根菜類 サツマイモ、ジャガイモ、人参
その他 さつま揚げ、ソーセージ、パン、バナナ、リンゴ、その他被害の多い食品、ごま油などの食用油、バター、砂糖、糖蜜など

ネズミの好物

ネズミの餌としてよく利用されているのが、ヒマワリの種やトウモロコシ、サツマイモやパン、サラミになります。

しかし、ネズミ個体でも好みがありますし、環境によっても異なると言われていますので、一概に「これが好みのもの!」と言うことができません。

とは言え、どの食材が好みなのかを調べる方法があります。

次の章で、効果的な食材の選び方、そして効率よく餌を食べてくれるコツをご紹介したいと思います。

効率よくネズミに餌を食べさせるコツ

ひょっこり頭を出してきたねずみ

ドブネズミとクマネズミはとても強い警戒心を持っています。

家ねずみ3種の警戒心指数(同じネズミが繰り返し生け捕り罠にかかる割合から算出した指数)

ハツカネズミ(約1)< ドブネズミ(約4.5)< クマネズミ(約13.5)

クマネズミが群を抜いて強い警戒心を持っていることが分かると思います。

クマネズミの被害が多いは、この警戒心の強さから来ています。

ネズミは新しく仕掛けられた毒餌や罠に警戒を示す習性がありますので、なかなか人間の思うように罠となる餌に食いついてはくれません。

「設置して2,3日経つけど、ちっとも餌を食べてくれない!」

ですから、すぐに効果が現れるわけではないので、まずは焦らず1週間ほど様子をみてみましょう。

焦って罠の配置を変えたりすると、かえってネズミが警戒してしまい、ますます餌を食べてくれなるので注意が必要です。

■ ネズミが餌を効率よく食べるようにするためには?
警戒心の強いネズミを効率よく駆除するためには、適切な場所に適切な食材を置くことが一番の近道になります。

早く駆除したいからといって、適当に罠をしかけても効果はありません。

ネズミの好きな「餌」の選定も大切ですが、「設置する場所」も駆除を成功させるためには大切な要因になるからです。

ネズミが通らない場所に餌を置いても・・・意味がありませんよね?

そのためには、ネズミがどのように行動しているのか、「ラットサイン」を見つけることが大切になります。

ラットサインとは、ネズミの姿、死体、鳴き声、走る音、糞、巣、かじり跡、足跡、体のこすり跡、イエダニの発生など、ネズミの存在を示すあかしの総称になります。

ネズミは同じような経路を使って移動をするので、ネズミの通る道は、体の汚れが壁に付着して、黒く汚れたようになっています。
特に壁に沿って移動する習性があるため、壁や部屋のスミを探すとみつけることができるでしょう。

ラブサイン

体のこすり跡(ラブサインといいます)がある場所に罠を設置すれば、より餌を食べてくれる機会が増えることでしょう。

ネズミの行動パターンが分かったら、次は「餌」の選定になります。

なるべく食いつきの良い餌にしたほうが効率がよくなるので、1種類ではなく複数種類の餌を置いて、どれが一番よく食べられたかを観察するのもよいでしょう。

市販されているものを購入するのが手軽に設置できるので便利だとは思いますが、その場にある食材、もしくは食害にあった食材を組み合わせて利用すると、さらに食いつきがよくなります。

普段使っている食材イメージ

■ なぜ市販されている毒餌は遅効性のものが売られているの?
市販されている毒餌はワルファリンを利用したものが多く販売されています。

ネズミはとても警戒心の強い生きものなので、毒餌を食べた仲間のネズミがすぐに苦しみだしたら、その餌は危険なものだと警戒して近寄らなくなってしまい、食べられなくなってしまいます。

毒餌を4~7日以上食べ続けることで死に至らしめる遅効性の毒ならば、仲間のネズミに警戒心を与えないため、多くのネズミが食べ続けるメリットがあるからです。

餌を使用した罠(毒餌・カゴ式罠・バネ式罠)とそのデメリット

さて、最後の仕上げになります。

器具や薬剤を使った駆除は短期間で効果があらわれるので、自分でネズミ駆除をしようと思った人なら誰しも思い浮かぶ方法ではないでしょうか?

しかし、それぞれにデメリットがあります。

特にデメリットの部分に関してはちゃんと理解した上で行わないと、後処理ができずに困ることになりますので、しっかり見極めてから使用する罠を決めましょう。

毒餌(殺鼠剤)のデメリット

毒エサ

どこでネズミが死ぬのか分からない

ほかの2つの器具と違い、毒がいつ効くのか、どこで死ぬのかが分かりません。

手の届く範囲でしたら回収することができますが、壁のすき間などにひっそり死んでしまったら、それこそ一大事です。
腐臭と腐食によるウジの発生など二次被害が起こってしまいます。

明るいところで死ぬと言うわけではないので、物陰やすき間など徹底的に調べる必要があります。

また、ネズミが死ぬと寄生しているダニが離れてしまうので、ダニが拡散し、人間に吸血する可能性もあります。

ですから、毒餌だけで駆除しようとするのはオススメできません。

カゴ式罠のデメリット

カゴ式罠

カゴの中に閉じ込めることで罠が成立しますが、そのまましておくわけにもいきませんから、とどめを刺さなければいけません。

一般的にはカゴごと水没させる方法をとりますが、害獣とは言え、自らの手で目の前にいるネズミを直接死に至らしめるという行為はあまり気持ちのいいものではありません。

そのような罪悪感に陥ってしまいそうなら、カゴ式罠はやめたほうがいいでしょう。

また、カゴには1匹しか入りませんので、多くのネズミを取るのには効率がよくありません。

バネ式罠のデメリット

バネ式ネズミ捕り

勢いよくバネが閉じるので、潰されたネズミの死体を処理しなければならない…というデメリットがあります。

他の2つの罠の場合、なにかしら道具を使って死骸を移動させることができますが、バネ式の場合、まずはバネを元に戻す作業をしなければならないので、否応なしにネズミの死骸を間近で見なければなりません。グロテスクな状態のものを。

また、設置をする際に誤作動させて自分がかかってしまう危険性があります。小さなお子様やペットが触れてしまって挟まる危険もありますので、設置する場所にも神経を使わなければなりません。

これらのデメリット(ネズミの死骸処理)があることを理解した上で、罠を使用しましょう。

餌を使用しない罠(粘着シート)について

nezumi-sheet

以上のように、餌を使用した罠にはそれぞれデメリットがあり、じゃあ他にもっと効果的な罠がないのかと、ますます迷われた方もいらっしゃるかと思います。

多くの駆除業者が利用している「粘着シート」は、捕獲効率が良い上に衛生的に駆除できるのオススメです!

ネズミが死ぬと、寄生していたダニやノミは次の寄生主を探すために寄生しているネズミから離れます。

しかし、粘着シートの上でしたら、ダニやノミがシートに捕まるので、2次被害が発生しにくくなります。

捕まえた時は、本のようにパタンと閉じて、燃えるゴミとして処理することができるので、ネズミを直接触る必要がないというメリットがあります。

いいことばかり書いていますが、もちろんデメリットもあります。

ひとつは、ネズミの通り道を見極めて適切にシートを置かないと効果が得られないということです。

ネズミは何度も同じ道を通る習性があります。

動物の通らないところに罠をしかけても・・・意味がありませんよね?

ネズミがどのルートで侵入しているのかを見極めることが駆除成功の重要なカギになります。

駆除専門家は、ネズミに関する豊富な知識と経験がありますので、ある程度の目星をつけることができます。

では、どうやってその通り道をみつけているのでしょうか?

ネズミは尿をしながら移動をするので、身体全体が汚れています。

何度も同じ道をとおることで汚れが似たような場所に付着するので、通り道の部分だけ黒く汚れてしまいます。

この汚れ(「ラットライン」と呼ばれています)をみつけることで、ネズミがどのように行動しているのか推測することができるというわけです。

そのほか、ブラックライトを利用して、ネズミの侵入口を確認する方法もあります。

ネズミの尿の中に含まれている蛍光性の物質をブラックライトで発光させることができるからです。

ネズミがどこからやってきているのかを、光っている尿を頼りにたどっていくことで、ネズミの巣や侵入方法を知ることが出来ます。

ふたつめは、強力な粘着力ゆえにうっかり触ってしまうとなかなか溶剤を取ることができないという点です。

小さなお子様やペットが誤って触らないように気をつけましょう。

夜間にしかシートを設置しない、ゲートを設置してシートを置いている場所に入らせないなどの対策をしておくと安心です。

ネバネバしている粘着質なものは、水洗いをしても取れないシロモノです。

ウェットティッシュで拭いても、洗濯をしても取ることができません。

2つほどデメリットをお伝えしましたが、設置や捕獲後の処理の容易さを考えると、粘着シートはオススメの駆除グッズといえます。

まとめ

今回は、ネズミの好みの餌がどんなものかを中心にお伝えしました。

  • 家に被害をもたらす3種の家ねずみの存在
  • 種類によって食べ物の好みが違うこと
  • ネズミはとても警戒心が強いということ(特にクマネズミ)
  • 罠を仕掛けるコツ
  • 使用する罠にデメリットがあること

上記のことを詳しくまとめてみました。

ネズミがなかなか餌を食べてくれずに困っていた、なにを食べさせたらいいのか分からなかった方へ、なにかしらのヒントが得られたなら幸いです。

ただし、あくまでも罠を利用したネズミ駆除は一時的なものになります。

特に殺鼠剤を利用した場合は、数週間で劇的な効果を得ることができるので、費用や労力をそれほどかけなくてすむので、多くの人が利用していますが、果たして侵入してきたネズミを殺傷してしまえばそれで問題解決なのでしょうか?

■ なぜねずみは家に入ってくるのでしょうか?
他のネズミは家に入ってこないのに、なぜ「家ねずみ」は家に侵入し、巣をつくるのでしょうか?
それは「家ねずみ」は、冬を乗り越えるために、巣穴や物陰などに大量の食料を貯めたり、体内に脂肪を貯めたりすることが不完全なため、人間の食料に頼らなければ生きていけないからです。
また、人間の住む住居では鳥や獣に襲われる心配がありませんし(イタチが家に侵入してきたら食べられてしまいますが)、断熱材などの普及で室温が一定に保たれていますから、寝床にするのに最適な場所になっているからです。

ネズミが家に入ってきたということは、それだけネズミにとって快適な場所だったということになります。

ネズミが侵入してきた要因を排除しなければ、また容易に家に入ってくることになります。

  • 食べ物の管理(食べかすや残飯をそのままにしておかない)
  • 侵入口の封鎖(外部から侵入させるすき間をなくす)

食べ物の管理については、ネズミのエサになるものを完全にシャットアウトすることは不可能ではありますが、日頃の心構えひとつで大きな効果をもたらすことができます。

ネズミは2~3日食べないと餓死してしまうほど、エネルギー消費が激しい生きものなので、兵糧攻めはとても効果があります。

外部から侵入させないための施策も、ネズミ対策に効果があります。

ネズミが侵入しやすい場所を徹底的に調査をしましょう。

  • 屋根下の通気口
  • 戸袋のすき間
  • 電線導入部と壁のすき間
  • 換気扇
  • 屋根のひさしの下のすき間
  • 建物と基礎のすき間
  • 配電盤のすき間
  • 排水パイプ
  • エアコン室外機
  • エアコン導入部
  • 台所、トイレなどの水まわりの配管

すき間をふさぐ例

このように様々な場所からネズミは侵入してきますので、ひとつひとつチェックしてみましょう。

改めて調べてみるとこんなところにすき間があったのかと驚かされると思います。

ただ、この侵入口封鎖に関していえば、素人では判断しづらい、思いがけない場所から侵入してくることもあります。

どうしてもネズミの侵入が防げない時は、プロの業者に依頼をしてみましょう。

費用はかかりますが、効果的な防除施工を行いますので、今後ネズミの心配をしなくてすむようになります。

保証をつけてくれる会社であれば、再発しても無料で対策をしてくれますから安心です。

ネズミ駆除は根気のいる作業になります。

試行錯誤しながら様々な罠を利用して、一日でも早くネズミがいない生活が送れることを切に願います。

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害獣・害虫・害鳥の
スペシャリスト

藤井 靖光

株式会社プログラント 代表取締役
日本有害生物対策協会 理事

取得資格
・公益社団法人 日本しろあり対策協会シロアリ防除士13510
・公益社団法人 蟻害腐朽検査士 熊本県-17-0042
・一般社団法人 住宅基礎コンクリート保存技術普及協会
 住宅基礎コンクリート保存技術士J21-0211
・一般社団法人 熊本県労働基準協会 特定化学物質四アルキル鉛等作業主任者
   第4350号
・KOBELCO高所作業車第17号ー6・ロープ高所作業91
・狩猟免許・罠猟免許
得意なジャンル
シロアリ防除・ハチ駆除・その他害虫防除全般・害獣防除全般・害鳥防除全般
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