佐賀県におけるネズミ被害の背景と地域特性

佐賀県は、九州北西部に位置し、北は玄界灘、南は有明海に面する県である。県土面積は約2,441km²で全国で42番目と小規模ながら、北部の玄界灘沿岸地域、中央部の佐賀平野、南部の有明海沿岸地域という三つの地域特性を持つ。県の中央部には筑紫平野の西部を占める広大な佐賀平野が広がり、県土の約45％が可住地面積となっている。北部は脊振山系を中心とした山地が連なり、南部は干拓によって拡大された有明海沿岸の低平地が広がる。

人口は約81万人で減少傾向が続き、高齢化率は31.2％と全国平均を上回るペースで少子高齢化が進んでいる。県の基幹産業である農業は、佐賀平野の穀倉地帯における米作、有明海沿岸の施設園芸、玄界灘沿岸のみかん栽培など多様性に富む。

特に有明海沿岸部では大規模な干拓地に温室やビニールハウスが連続し、いちご、アスパラガス、トマトなどの施設園芸が盛んである。こうした農業施設が集積する地域や、山間部の過疎集落、都市部の老朽化した住宅密集地では、近年ネズミによる農作物被害や生活環境被害が深刻化している。

なぜ佐賀県でネズミが多いのか?

第一に、佐賀平野から有明海沿岸にかけての水田地帯と用排水路網が、ネズミの生息に理想的な環境を提供している。佐賀平野は筑後川水系とその支流によって形成された広大な沖積平野で、県内最大の穀倉地帯として水田が広がる。有明海沿岸部は江戸時代から続く干拓によって拡大された低平地で、綿密な用排水路網が張り巡らされている。これらの水路や畦畔、水田周辺の草地は、ドブネズミやハタネズミにとって格好の生息場所となっている。

特に収穫期前後の水田には大量の籾や落穂が残され、ネズミにとって豊富な餌資源となる。また、水田と住宅地や農業施設が近接する土地利用形態は、ネズミが農地と人間の生活圏を容易に行き来できる環境を作り出している。用排水路は四季を通じて水が流れ、ドブネズミの移動経路としても機能し、広範囲への分散を可能にしている。

第二に、有明海沿岸部における大規模施設園芸の集積が、ネズミに年間を通じた安定した餌場と営巣場所を提供している。佐賀県は施設園芸が盛んで、特に白石町、鹿島市、太良町など有明海沿岸部には温室やビニールハウスが連続して立地し、いちご、アスパラガス、トマト、きゅうりなどが周年栽培されている。佐賀県のいちご生産量は全国上位で、「さがほのか」などのブランドいちごが冬春期に大量生産される。

これらの施設内は温度管理され、冬季でも温暖で、ネズミにとって快適な環境である。施設内には農作物だけでなく、肥料や培養土の袋、段ボール箱、収穫コンテナなど営巣材料も豊富に存在する。ハウスの基礎部分や資材置き場の隙間は格好の巣穴となり、ハウスから別のハウスへと連続する施設群は、ネズミのコロニー形成を容易にしている。収穫後に廃棄される規格外品や残渣も餌資源となり、ネズミの高密度生息を支えている。

第三に、山間部における過疎化・高齢化の進行と都市部の老朽住宅密集地の存在が、ネズミの定着と増加を促進している。佐賀県北部の脊振山系周辺や県西部の山間地域では、深刻な過疎化と少子高齢化が進行している。高齢化率が50％を超える集落も珍しくなく、空き家や耕作放棄地が増加している。管理されなくなった古民家や納屋、倉庫は、クマネズミやドブネズミの格好の住処となり、集落機能の低下により共同での鳥獣対策や環境整備が困難になっている。

一方、佐賀市や唐津市などの都市部では、戦後から高度成長期に建てられた木造住宅密集地が老朽化し、建物の隙間や床下、天井裏がネズミの侵入経路・営巣場所となっている。特に飲食店が集積する市街地や、食品関連施設が立地する工業団地周辺では、クマネズミによる建物侵入被害や食品汚染被害が深刻化している。独居高齢者世帯の増加により、家屋の維持管理が困難になり、ネズミの侵入を許す建物の劣化が進行している。

また、都市部のゴミ集積所における管理不備や、飲食店からの生ゴミ排出は、ドブネズミに安定した餌資源を提供し、都市型ネズミ問題を深刻化させている。

第四に、佐賀県特有の気候条件と地理的特性が、ネズミの繁殖と生息密度の上昇を後押ししている。佐賀県は温暖湿潤気候に属し、年平均気温は約17℃、年間降水量は約1,800mmと比較的温暖多雨である。冬季も比較的温暖で、有明海沿岸部では積雪もほとんどない。この温暖な気候は、ネズミの繁殖期間を長期化させ、年間を通じた個体数増加を可能にしている。特にドブネズミやクマネズミは温暖な環境を好み、佐賀県の気候条件は彼らの生存と繁殖に極めて有利である。

また、佐賀平野の平坦な地形と密な水路網は、ネズミの移動を容易にし、一度定着したコロニーから周辺地域への拡散を促進している。有明海沿岸の干拓地は標高が低く、地下水位も高いため、湿潤な環境を好むドブネズミにとって理想的な生息地となっている。さらに、佐賀県は福岡都市圏に隣接し、物流拠点や食品加工施設も多く立地するため、都市型ネズミの侵入経路も多様化している。

これらの要因が複合的に作用することで、佐賀県ではネズミの生息密度が高まり、農業被害と生活環境被害の両面で深刻な問題が生じている。水田地帯でのハタネズミによる農作物被害、施設園芸でのクマネズミによる果実・野菜への食害、都市部や山間集落でのドブネズミ・クマネズミによる家屋侵入と糞尿被害など、多様な形態のネズミ被害が県内各地で報告されている。人口減少と高齢化が進む中、効果的なネズミ対策の実施は地域にとって喫緊の課題となっている。

ネズミに関するＱ＆Ａ

Q1: 佐賀県でネズミによる被害は発生していますか?

A1: はい、佐賀県でもネズミ（主にクマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミ）による被害が広く報告されています。佐賀市を中心とした都市部から、唐津市の玄界灘沿岸地域、有明海に面した佐賀平野・白石平野の農業地帯まで、県内全域で被害が確認されています。特に有田町や伊万里市の陶磁器産業関連施設（窯元、展示施設、倉庫）では、古い木造建築が多く、ネズミが侵入しやすい環境となっています。また、佐賀平野の稲作地帯では収穫期の米倉庫での食害、玄界灘沿岸の漁港では水産加工施設での被害が深刻化しています。

Q2: 有田焼・伊万里焼の窯元や工房でのネズミ被害はありますか?

A2: はい、有田町・伊万里市の陶磁器産業地域では、窯元や工房、展示施設でのネズミ被害が報告されています。特に古い木造の作業場や倉庫では、①電気配線の齧害による火災リスク（ガス窯や電気窯の制御装置が影響を受ける恐れ）、②製品保管倉庫での段ボールや梱包材の破損、③伝統的建造物の木材・断熱材の破損、④糞尿による衛生環境の悪化、⑤観光客向け展示施設でのイメージ低下、などの被害があります。400年以上の歴史を持つ焼き物の町として、文化財的価値のある建物も多く、建物を傷つけない慎重な駆除対策が求められています。

Q3: 佐賀平野・白石平野の農業地帯でのネズミ被害は?

A3: 佐賀平野・白石平野は県面積の約3割を占める低平地で、稲作が盛んな地域です。この農業地帯では、①収穫後の米倉庫での食害（ネズミが米袋を齧り、大量の米が食べられる）、②ビニールハウスでの野菜被害（タマネギ、アスパラガス、レタスなどの齧害）、③農業用水路沿いの移動によるネズミの拡散、④倉庫内の農業資材や肥料袋の破損、⑤脱穀機や乾燥機などの農業機械の配線被害、などが報告されています。佐賀平野は筑後川や嘉瀬川などの河川流域で、水辺環境を好むドブネズミが多く生息しています。

Q4: 玄界灘沿岸の漁港や水産加工施設でのネズミ被害は?

A4: 玄界灘に面した唐津市、玄海町などの漁港地域では、水産関連施設でのネズミ被害が深刻です。特に①魚市場での水揚げ魚の食害、②水産加工場での製品汚染（糞尿による衛生問題）、③冷凍倉庫の断熱材破損と配線齧害、④漁船や漁具倉庫での漁網・ロープの破損、⑤呼子のイカで有名な観光施設での衛生被害、などがあります。ドブネズミは泳ぎが得意で、港湾施設や排水溝を通じて広範囲に移動します。「呼子のイカ」などブランド水産物の品質管理上、徹底した衛生対策が必要です。

Q5: 有明海沿岸の海苔養殖地域でのネズミ被害は?

A5: 有明海は全国有数の海苔養殖地域で、佐賀県は海苔の生産量が全国トップクラスです。海苔養殖関連施設では、①海苔加工場での製品汚染（糞尿による衛生問題）、②海苔の保管倉庫での包装材破損、③加工機械の電気配線齧害、④作業小屋や倉庫の断熱材破損、⑤干潟周辺の民家への侵入、などの被害が報告されています。海苔は食品衛生法の厳格な基準があり、ネズミの侵入は製品の出荷停止につながる重大問題です。鹿島市、太良町などの海苔産地では特に注意が必要です。

Q6: ネズミはどこから家屋に侵入しますか?

A6: ネズミは驚異的な侵入能力を持ち、クマネズミは2cm、ドブネズミは3cm、ハツカネズミは1.5cmの隙間があれば侵入可能です。佐賀県の住宅での主な侵入経路は、①基礎の通気口や換気口、②配管やエアコンホースの貫通部、③屋根と壁の隙間や軒下、④瓦のずれや破損部分、⑤雨戸の戸袋、⑥床下の隙間、⑦玄関や勝手口のドアの下の隙間、⑧排水管やトイレの配管、などです。佐賀県は北部（玄界灘側）と南部（有明海側）で気候が異なり、高温多湿な地域では建物の劣化が早く、侵入口が増えやすい傾向があります。

Q7: ネズミが媒介する病気にはどのようなものがありますか?

A7: ネズミは深刻な感染症を媒介する危険な害獣です。主な感染症として、①サルモネラ症（食中毒）、②レプトスピラ症（ワイル病、尿で汚染された水や土壌から感染、重症化すると死亡リスク）、③ハンタウイルス感染症（糞尿から感染）、④ツツガムシ病（ネズミに寄生するダニから感染）、⑤ペスト（歴史的にネズミのノミが媒介、日本では稀）、⑥E型肝炎、⑦鼠咬症（噛まれることで感染）、などがあります。特に食品関連施設（水産加工場、海苔加工場、飲食店）では、ネズミの糞尿による食品汚染が重大な衛生問題となります。

Q8: 佐賀市街地でのネズミ被害の特徴は?

A8: 佐賀市（県庁所在地、人口約23万人）の市街地では、都市型ネズミ（主にクマネズミ）の被害が多く報告されています。①飲食店街（佐賀駅周辺、中心商店街）での厨房侵入と食材被害、②マンション・アパートの配管を伝った侵入、③オフィスビルの電気配線齧害、④商店の在庫品被害、⑤古い木造住宅密集地での天井裏への営巣、⑥ゴミ集積所周辺でのネズミの繁殖、などがあります。クマネズミは高所移動が得意で、ビルの上階でも被害が発生します。佐賀市では定期的なゴミ出しルールの徹底と、建物の隙間管理が重要です。

Q9: 唐津城など歴史的建造物でのネズミ対策は?

A9: 佐賀県には唐津城、佐賀城本丸歴史館、吉野ヶ里歴史公園など、歴史的価値のある建造物が多くあります。これらの施設では、①木造建築の柱や梁をネズミが齧る被害、②貴重な資料や展示物の破損、③電気配線の齧害による火災リスク、④観光客への不快感、⑤文化財としての価値を損なわない方法での駆除の必要性、などの課題があります。殺鼠剤の使用が制限される場合もあり、粘着シートや捕獲器、超音波装置など、建物を傷つけない方法を組み合わせた対策が求められます。定期的な点検と早期発見が重要です。

Q10: 鳥栖市の物流倉庫でのネズミ被害は?

A10: 鳥栖市は九州の陸路交通の要衝で、多くの物流倉庫や配送センターが集積しています（佐賀県第3位の都市）。物流施設では、①保管商品の食害・破損、②段ボールや梱包材の齧害、③倉庫内の断熱材破損、④フォークリフトなどの機械配線齧害、⑤食品倉庫での衛生問題、⑥トラックへの侵入と他地域への拡散、などの被害があります。物流拠点であるため、他県からネズミが運び込まれるリスクも高く、入荷時の確認と定期的な駆除が必要です。特に食品を扱う倉庫では、HACCP対応として徹底した防鼠対策が求められます。

Q11: ネズミの糞尿による被害はどのようなものですか?

A11: ネズミの糞尿は深刻な二次被害を引き起こします。①ネズミは一日に50～100個の糞をするため、短期間で大量に蓄積、②糞尿に含まれる病原菌による感染症リスク、③糞尿の悪臭による不快感、④天井裏や壁内での糞尿蓄積によるシミや腐食、⑤断熱材や木材の劣化、⑥ダニやノミなどの二次的害虫の発生、⑦食品への混入による食中毒リスク、⑧乾燥した糞が粉塵化してアレルギーや呼吸器疾患を引き起こす、などの被害があります。佐賀県の高温多湿な気候では、糞の腐敗や病原菌の繁殖が早いため、早期の清掃と消毒が重要です。

Q12: ネズミによる火災リスクはどのくらい深刻ですか?

A12: ネズミによる火災リスクは非常に深刻で、毎年全国で多数の火災原因となっています。ネズミは歯が伸び続けるため、常に何かを齧る習性があり、①電気配線の被覆を齧ってショートさせ、火花が発生、②ガス管を齧ってガス漏れを引き起こす、③断熱材などの可燃物の中で配線を齧り、発火しやすい環境を作る、④天井裏や壁内など発見が遅れやすい場所で火災が発生、などのリスクがあります。特に有田焼・伊万里焼の窯元では、ガス窯や電気窯の制御装置の配線齧害が製品焼成に影響し、最悪の場合は火災につながる恐れがあります。

Q13: ネズミ対策で効果的な方法は何ですか?

A13: ネズミ対策は「侵入防止」「駆除」「環境整備」の3つを組み合わせることが重要です。①侵入防止：2cm以上の隙間をすべて金網や金属板、パテで塞ぐ。配管周りは特に注意。②駆除：粘着シート、捕獲器、殺鼠剤を併用。ただし殺鼠剤は子供やペットがいる家庭では慎重に使用。③環境整備：食べ物を出しっぱなしにしない、ゴミは密閉容器に入れる、建物周辺の雑草や不要物を除去。④定期点検：3ヶ月に1回程度、侵入口や被害状況を確認。⑤専門業者への依頼：被害が深刻な場合や、自力で駆除できない場合は早めに相談してください。

Q14: ネズミ被害について佐賀県内ではどこに相談すればよいですか?

A14: 佐賀県内のネズミ被害相談窓口は以下の通りです。①各市町村の環境課・生活環境課：一般住宅の相談、②佐賀市の場合：環境政策課（0952-40-7202）、③保健所：食品関連施設や衛生面での相談（佐賀中部保健所、唐津保健所など）、④佐賀県庁 生活衛生課：県全体の衛生対策、⑤民間の害獣駆除専門業者：実際の駆除・侵入防止工事、⑥農業関連：JA佐賀や各地の農林事務所（農業施設の被害）。被害状況の写真や、ネズミの糞・足跡の記録があると、より適切なアドバイスを受けられます。

Q15: 飲食店や食品製造施設でのネズミ対策は?

A15: 佐賀県の飲食店（からつバーガー、シシリアンライス、佐賀牛レストランなど）や食品製造施設では、ネズミ対策は営業許可に関わる重大事項です。①定期的な防鼠点検と記録の保管（HACCP対応）、②入口や搬入口に防鼠ブラシやエアカーテン設置、③排水溝に金網設置、④食材の密閉保管（冷蔵庫・密閉容器）、⑤ゴミは密閉容器で保管し、毎日廃棄、⑥厨房・倉庫の隙間を完全に塞ぐ、⑦粘着シートや捕獲器の定期的な設置と確認、⑧従業員への衛生教育、⑨専門業者による定期的な駆除と防除、などが必要です。保健所の立ち入り検査で不備が見つかると営業停止処分もあり得ます。

Q16: 空き家でのネズミ対策はどうすればよいですか?

A16: 佐賀県でも人口減少に伴い空き家が増加しており、ネズミの繁殖地となっています。空き家所有者は、①月1回以上の見回りと換気、②侵入口の早期発見と補修、③庭木や雑草の除去（建物への足場を作らない）、④建物内部の清掃と点検、⑤近隣住民への迷惑防止（ネズミが周辺に拡散）、⑥窓やドアの施錠と隙間の管理、⑦定期的な駆除・防除措置、などの対策が必要です。空き家を放置すると、ネズミの一大コロニーとなり、周辺住宅にも被害が広がります。所有者には管理責任があり、自治体から指導を受けることもあります。

Q17: ネズミの種類によって対策は変わりますか?

A17: はい、佐賀県に生息する主な3種類のネズミは習性が異なり、対策も変える必要があります。①クマネズミ（体長15～23cm、灰褐色～黒褐色）：高所移動が得意で天井裏に営巣。警戒心が強く、罠にかかりにくい。配線齧害が多い。対策は天井裏や高所の侵入口封鎖。②ドブネズミ（体長20～28cm、褐色、最大）：低所や地下、排水溝を好む。泳ぎが得意で港湾地域に多い。獰猛で病原菌を多く持つ。対策は排水口や床下の侵入口封鎖。③ハツカネズミ（体長5～10cm、最小）：倉庫や物置、農地に多い。小さいため1.5cmの隙間でも侵入。対策は細かい隙間まで徹底して塞ぐ。

Q18: 脊振山系や多良山系などの山地からネズミが降りてきますか?

A18: 佐賀県の北東部から中央部にかけて広がる脊振山系（1000m級）、南西部の多良山系（1000m級）には野生のネズミ（アカネズミ、ヒメネズミなど）が生息しています。これらの野ネズミは、①山間部の集落や農地に出没することはあるが、都市部まで降りてくることは稀、②主に山林内で生活し、人家への侵入は限定的、③ただし、山間部の空き家や倉庫には侵入する可能性がある、という特徴があります。一方、人家に被害を与える家ネズミ（クマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミ）は、山地ではなく都市部や集落で繁殖し、人間の生活環境に依存しています。

Q19: 佐賀の温泉地（武雄温泉、嬉野温泉など）での宿泊施設のネズミ対策は?

A19: 武雄温泉、嬉野温泉などの観光地では、旅館やホテルでのネズミ対策が宿泊客の満足度と施設の評判に直結します。①客室への侵入防止（配管周りの隙間を完全に塞ぐ）、②厨房・食品倉庫の徹底した衛生管理、③温泉施設周辺の配管や排水溝の防鼠対策、④布団や寝具の保管場所での侵入防止、⑤ゴミ保管場所の密閉管理、⑥定期的な専門業者による点検と駆除、⑦従業員への衛生教育と早期発見体制、⑧万が一客室でネズミが発見された場合の迅速な対応マニュアル、などが重要です。観光県としてのイメージを守るため、予防的な対策が必要です。

Q20: 佐賀県全体でのネズミ対策の取り組みは?

A20: 佐賀県では、①佐賀県庁 生活衛生課を中心とした衛生害虫・害獣対策の推進、②各市町村での相談窓口設置と住民への啓発、③保健所による食品関連施設の衛生指導、④農林事務所による農業施設での被害対策支援、⑤専門業者との連携体制の構築、⑥空き家対策と連動したネズミ防除の促進、⑦陶磁器産業地域（有田・伊万里）での文化財保護と両立した対策、⑧水産業地域（玄界灘・有明海沿岸）での衛生管理強化、⑨物流拠点（鳥栖市）での広域的な防除体制、などを進めています。人口約81万人の佐賀県全体で、地域特性に応じた柔軟な対策が必要です。被害情報の共有と早期対応にご協力をお願いします。

※弊社はネズミ昆虫等防除業保健所登録事業者です。

佐賀県害獣・ネズミ駆除全域対応：詳細対応地域