福岡市におけるネズミ被害の背景と地域特性

福岡市は、九州北部に位置し、人口約160万人を擁する九州最大の都市である。博多湾に面し、古くからアジアとの交流拠点として発展してきた。市域面積は約343km²で、中央区・博多区を中心とする都心部、早良区・城南区の住宅地域、東区・西区の市街地、南区の郊外住宅地という多様な都市構造を持つ。天神・博多地区は西日本有数の商業・業務集積地で、高層ビル、地下街、地下鉄網が発達している。（福岡市役所）

市内には約7,900店の飲食店が営業し、特に中洲・天神地区には屋台を含む飲食店が密集する。人口は増加を続ける一方で、都心部の老朽建築物の更新、郊外の住宅団地の高齢化といった課題も抱えている。博多港は国際貿易港として機能し、福岡空港は都心から約5kmという至近距離に位置する。

こうした大都市特有の環境を持つ福岡市では、近年クマネズミやドブネズミによる飲食店被害、ビル・住宅への侵入被害、地下街や地下鉄での目撃情報が増加し、都市型ネズミ問題が深刻化している。

なぜ福岡市でネズミが多いのか?

第一に、天神・博多・中洲地区における飲食店の高密度集積が、ネズミに豊富な餌資源と生息環境を提供している。福岡市は「食の都」として知られ、市内の飲食店数は人口当たりで全国トップクラスである。特に天神地区、博多駅周辺、中洲地区には居酒屋、ラーメン店、レストラン、バーが密集し、雑居ビルの1階から上層階まで飲食店が入居している。これらの店舗から排出される生ゴミや食品残渣は、ドブネズミやクマネズミにとって安定した餌となる。

また、中洲や天神には福岡名物の「屋台」が約100軒営業し、営業後の清掃時に路上に残る食べ残しがネズミを誘引している。雑居ビルの配管・配線スペース、ダクト、天井裏はクマネズミの移動経路と営巣場所となり、ビルから別のビルへと連続的に移動できる環境が、高密度のネズミ個体群を維持している。ゴミ集積所の管理不備や、深夜営業店舗からの不適切なゴミ排出も問題を悪化させている。

第二に、発達した地下空間と下水道網が、ドブネズミの生息域を拡大させている。福岡市の都心部には、天神地下街、博多駅地下街など大規模な地下街が発達し、地下鉄空港線・箱崎線・七隈線の3路線が市内を縦横に走る。これらの地下空間は年間を通じて温度が安定し、冬季でも温暖なため、ドブネズミにとって快適な生息環境となっている。地下街の飲食店や売店から出る食品残渣、地下鉄駅構内のゴミ箱や線路脇に落ちた食べ物が餌資源となる。

下水道網は市内全域に張り巡らされ、ドブネズミの移動経路として機能し、都心部から住宅地まで広範囲への拡散を可能にしている。地下鉄工事や再開発に伴う地下構造物の増加が、ネズミの生息空間をさらに拡大させている。

第三に、老朽化した木造住宅密集地と高齢化の進行が、住宅地でのネズミ被害を拡大させている。福岡市には戦後から高度成長期に建設された木造住宅が多く残り、特に博多区、東区、南区の一部には老朽化した住宅密集地が存在する。これらの建物は築40年以上経過し、床下や天井裏、壁の隙間など、ネズミの侵入経路が多数存在する。独居高齢者世帯の増加により、家屋の維持管理が困難になり、ネズミの侵入を許す建物の劣化が進行している。

また、都心部に近い住宅地では、古いアパートや長屋が密集し、隣家との隙間や共用部分を通じてネズミが拡散しやすい構造となっている。空き家の増加も問題で、管理されない建物がネズミの繁殖場所となり、周辺住宅への侵入源となっている。

第四に、博多港と福岡空港という国際物流拠点の存在が、外来ネズミの侵入リスクを高めている。博多港は韓国・釜山まで約200kmという地理的優位性を活かし、アジアとの国際貿易が盛んである。コンテナ貨物に紛れて海外からネズミが侵入するリスクがあり、特にクマネズミは船舶による移動に適応している。福岡空港は都心から約5kmと至近距離にあり、国内外からの航空貨物も多い。これらの物流拠点周辺には倉庫や物流センターが集積し、一度侵入したネズミが周辺地域に拡散する可能性が高い。また、市内には食品製造業や食品卸売業が集積し、工場や倉庫でのネズミ被害も報告されている。

第五に、福岡市の温暖な気候と都市化の進展が、ネズミの繁殖を促進している。福岡市は温暖湿潤気候に属し、年平均気温は約17℃、冬季も比較的温暖で積雪は少ない。この気候条件はネズミの越冬を容易にし、年間を通じた繁殖を可能にしている。

都心部ではヒートアイランド現象により、冬季の気温がさらに上昇し、ネズミの生存率を高めている。また、再開発が進む都心部では、古いビルの解体時に追い出されたネズミが周辺の建物に移動・分散し、被害エリアが拡大している。郊外では宅地開発が進み、農地や緑地が減少する過程で、それまで野外に生息していたネズミが住宅地に移動するケースも増えている。

これらの要因が複合的に作用することで、福岡市ではネズミの生息密度が高まり、都市型ネズミ問題が深刻化している。飲食店街でのクマネズミによる食品汚染被害、地下街や地下鉄でのドブネズミの目撃情報、住宅地での家屋侵入と糞尿被害、食品関連施設での衛生被害など、多様な形態のネズミ被害が市内各地で報告されている。人口集中が続く大都市として、効果的なネズミ対策の実施は市民の生活環境と公衆衛生を守るための喫緊の課題となっている。

ネズミに関するＱ＆Ａ

Q1: 福岡市でネズミによる被害は発生していますか?

A1: はい、福岡市（人口約165万人、政令指定都市）でもネズミ（主にクマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミ）による被害が広く報告されています。特に博多駅周辺、天神地区、中洲の繁華街では、都市型ネズミ（クマネズミ）による飲食店への侵入と食材被害が深刻化しています。博多ラーメン店、もつ鍋店、水炊き店、明太子販売店などでの被害が多発しており、中洲屋台街周辺ではゴミを狙ったネズミの繁殖も問題となっています。また、博多区・中央区の高層マンション、東区・南区の住宅地、西区の埋立地域、城南区・早良区の大学周辺でも被害が確認されています。

Q2: 博多駅周辺のオフィスビル・商業施設でのネズミ被害は?

A2: 博多駅周辺（博多区）は九州最大のターミナル駅で、JR博多シティ、KITTE博多、博多阪急など大型商業施設が集積しています。①地下飲食街（博多デイトス、博多駅地下街など）での厨房侵入と食材被害、②オフィスビルの高層階への配管を伝った侵入（クマネズミは10階以上にも侵入）、③商業施設のバックヤードや倉庫での商品被害、④飲食店の換気ダクトや排水管を通じた移動、⑤地下駐車場や地下街での目撃情報、⑥電気配線齧害による停電リスク、⑦深夜営業店舗周辺でのゴミを狙った繁殖、などの被害があります。都市部の特性上、建物が密集しており、ネズミが連続して移動しやすい環境です。

Q3: 天神地区の繁華街・地下街でのネズミ被害は?

A3: 天神地区（中央区）は九州最大の繁華街で、天神地下街（日本最大級の地下街、延長約590m）、福岡PARCO、岩田屋本店、大丸福岡天神店などが集積しています。①天神地下街での目撃情報と飲食店への侵入、②地下鉄天神駅構内での目撃、③親不孝通りや大名の飲食店街での厨房被害、④西通りの商店街でのバックヤード侵入、⑤デパート地下食品売り場での衛生管理上のリスク、⑥ファッションビルの倉庫での段ボール破損、⑦夜間の繁華街のゴミ集積所周辺での繁殖、⑧地下街の排水管や電気配管を通じた移動、などの被害が報告されています。地下街は密閉空間のため、早期発見と対策が重要です。

Q4: 中洲の屋台街・歓楽街でのネズミ被害は?

A4: 中洲（博多区）は那珂川と博多川に囲まれた日本三大歓楽街の一つで、約3,000軒の飲食店と約40軒の屋台が密集しています。①屋台周辺のゴミや食べ残しを狙ったネズミの出没、②川沿いの飲食店への侵入（ドブネズミは泳ぎが得意）、③雑居ビルの飲食店フロアでの被害拡大、④深夜営業店舗の厨房への侵入、⑤ゴミ集積所周辺での大量繁殖、⑥古い木造建築（スナック、バーなど）への営巣、⑦那珂川・博多川の護岸を移動経路とした拡散、⑧観光客の食べこぼしがネズミの餌となる問題、⑨風評被害による店舗への影響、などが深刻です。屋台街は観光資源でもあり、衛生管理の徹底が求められます。

Q5: 那珂川・御笠川などの河川沿いでのネズミ被害は?

A5: 福岡市には那珂川、御笠川、多々良川、室見川、樋井川などが博多湾に注いでおり、水辺環境を好むドブネズミの生息地となっています。①那珂川沿いの飲食店（中洲、春吉地区）への侵入、②御笠川沿いの住宅地（博多駅東側、千代・石堂地区）での被害、③多々良川沿いの東区住宅地での目撃情報、④室見川沿いの早良区・西区の住宅への侵入、⑤河川の護岸や排水口を移動経路とした広範囲への拡散、⑥公園や河川敷でのゴミ箱を狙った繁殖、⑦大雨・台風時の河川氾濫でネズミが住宅地へ避難、⑧河川清掃活動での糞の発見、などの問題があります。水辺は餌と水が豊富でネズミの格好の生息地です。

Q6: 福岡市の高層マンション・タワーマンションでのネズミ被害は?

A6: 福岡市は人口増加率が政令市トップで、中央区・博多区を中心に高層マンションが増加しています。高層マンション特有の被害として、①クマネズミが配管（雑排水管、汚水管）を伝って上階まで侵入（10階以上でも被害）、②共用配管からの侵入のため、一戸だけの対策では不十分、③ベランダの排水口からの侵入、④天井裏の断熱材への営巣、⑤各戸のエアコン配管貫通部からの侵入、⑥マンション全体でのゴミ置き場管理の問題、⑦管理組合による定期的な駆除の必要性、⑧築年数が経過した物件での配管周りの隙間拡大、⑨タワーマンションの眺望重視設計による隙間の増加、などがあります。

Q7: 明太子販売店・製造施設でのネズミ被害対策は?

A7: 福岡市は明太子発祥の地で、博多駅周辺、天神地区に多くの明太子専門店があります。①販売店での商品保管時の密閉管理、②冷蔵ショーケース周辺の隙間管理、③バックヤードや倉庫への侵入防止、④試食コーナーでの食品管理、⑤製造施設での原料保管倉庫の防鼠対策、⑥製造ラインへの侵入防止（エアカーテン、防鼠ブラシ）、⑦冷蔵・冷凍倉庫の断熱材保護、⑧排水溝や配管への金網設置、⑨HACCP対応としての防鼠記録保管、⑩ネズミの糞尿混入による全ロット廃棄リスク、⑪お土産用パッケージの保管時の注意、⑫観光客への印象管理、などが重要です。明太子は福岡の顔であり、衛生管理は最優先事項です。

Q8: 博多ラーメン店・もつ鍋店でのネズミ対策は?

A8: 福岡市は豚骨ラーメン（博多ラーメン）ともつ鍋の本場で、市内に無数の専門店があります。①厨房の隙間を完全に塞ぐ（特に排水溝周辺、ガス配管周り）、②スープの寸胴や麺の保管時の密閉管理、③もつ鍋のホルモン（内臓）保管時の冷蔵徹底、④店舗裏口やゴミ置き場の管理、⑤閉店後の清掃徹底（食べかすを残さない）、⑥カウンター席下の隙間対策、⑦換気ダクトへの侵入防止、⑧粘着シートの定期的な設置と確認、⑨従業員休憩室での食品管理、⑩保健所の立ち入り検査への対応、⑪SNSでの風評被害防止、⑫行列店では店外のゴミ管理も重要、などの対策が必要です。

Q9: ネズミはどこから家屋に侵入しますか?

A9: ネズミは非常に小さな隙間から侵入できます（クマネズミ2cm、ドブネズミ3cm、ハツカネズミ1.5cm）。福岡市の住宅での主な侵入経路は、①基礎の通気口や換気口、②エアコン配管の貫通部、③屋根と壁の隙間、④雨戸の戸袋、⑤玄関や勝手口のドアの下の隙間、⑥排水管やトイレの配管、⑦古い木造住宅の床下、⑧マンションの共用配管（縦に移動）、⑨ベランダの排水口、⑩換気扇や給気口、⑪福岡市特有の問題として、大雨・台風時に河川から避難してくるネズミの増加、⑫海岸部（西区・東区）の埋立地域では地盤が柔らかく建物の隙間が生じやすい、などがあります。

Q10: 天神地下街など地下空間でのネズミ対策の重要性は?

A10: 天神地下街（延長約590m、店舗約150店舗）は福岡市の重要な商業空間で、ネズミ対策は極めて重要です。①地下街は密閉空間のため、ネズミが侵入すると捕獲が困難、②飲食店が多く、餌が豊富な環境、③排水管や電気配管が複雑に入り組んでおり、移動経路が多い、④地下鉄との接続部分からの侵入リスク、⑤大雨時の浸水リスクと共に、ネズミも避難場所として侵入、⑥観光客への不快感と福岡市のイメージ低下、⑦地下街全体での統一的な防鼠対策の必要性、⑧各店舗のバックヤード管理の徹底、⑨定期的な専門業者による点検と駆除、⑩早期発見のための監視カメラや粘着シートの設置、などの対策が不可欠です。

Q11: ネズミが媒介する病気にはどのようなものがありますか?

A11: ネズミは深刻な感染症を媒介する危険な害獣です。主な感染症として、①サルモネラ症（食中毒、ネズミの糞尿で汚染された食品から感染、飲食店での集団発生リスク）、②レプトスピラ症（ワイル病、ネズミの尿で汚染された水や土壌から感染、福岡市の河川沿いや大雨後に注意、重症化すると肝不全・腎不全で死亡）、③ハンタウイルス感染症（糞尿の粉塵を吸入して感染、出血熱や腎症候群）、④鼠咬症（噛まれることで感染、発熱・発疹）、⑤ツツガムシ病（ネズミに寄生するダニから感染）、⑥ペスト（歴史的にネズミのノミが媒介）、⑦E型肝炎、⑧各種寄生虫症、などがあります。飲食店や食品製造施設では営業停止処分のリスクもあります。

Q12: ネズミによる火災リスクはどのくらい深刻ですか?

A12: ネズミによる火災リスクは福岡市でも非常に深刻です。①ネズミの歯は生涯伸び続けるため、常に何かを齧る習性がある、②電気配線の被覆を齧ってショートさせ、火花が発生、③天井裏や壁内など発見が遅れる場所で発火、④断熱材などの可燃物が近くにあり、延焼が早い、⑤夜間・無人時（飲食店の閉店後、オフィスの夜間）に発火して発見が遅れる、⑥高層ビルでの配線齧害による大規模停電、⑦博多駅や天神地下街での電気火災は都市機能を麻痺させる、⑧古い木造建築が残る中洲などでは延焼リスクが高い、⑨櫛田神社など歴史的建造物での文化財損失リスク、⑩屋台でのガス配管齧害のリスク、などがあります。

Q13: 福岡市の大学周辺（城南区・早良区・東区）でのネズミ被害は?

A13: 福岡市には九州大学、福岡大学、西南学院大学など多くの大学があり、学生向けアパート・マンションが集積しています。①学生の一人暮らしでゴミ出しルールが守られず、ネズミの餌場となる、②安価な古いアパートでは建物の隙間が多い、③外食やテイクアウトの容器をベランダに放置、④深夜まで営業する学生向け飲食店周辺での繁殖、⑤大学キャンパス内の食堂や売店での被害、⑥学生寮での集団生活による衛生管理の難しさ、⑦夏休み・春休みの長期不在時にネズミが繁殖、⑧九州大学伊都キャンパス（西区）周辺は開発が新しいが、周辺農地からの侵入、⑨福岡大学周辺（城南区）の商店街での被害、などが報告されています。

Q14: 西区の埋立地域（シーサイドももち、マリノアシティなど）でのネズミ対策は?

A14: 西区のシーサイドももち地区、マリノアシティ福岡などの埋立地域では、特有のネズミ対策が必要です。①埋立地は地盤が柔らかく、建物の不同沈下で隙間が生じやすい、②海岸近くの湿気の多い環境はドブネズミが好む、③福岡PayPayドーム周辺の飲食店・売店での被害、④マリノアシティ福岡（アウトレットモール）の商業施設での対策、⑤高層マンション（ももち浜タワーなど）での配管管理、⑥海沿いの遊歩道やゴミ箱周辺での繁殖、⑦港湾施設（博多港西部地区）からの侵入リスク、⑧新しい街並みだが、排水管や電気配管を通じた侵入、⑨百道浜の砂浜清掃活動での糞の発見、⑩観光地としてのイメージ保全、などの課題があります。

Q15: ネズミ被害について福岡市内ではどこに相談すればよいですか?

A15: 福岡市内のネズミ被害相談窓口は以下の通りです。①福岡市環境局環境監視課（092-733-5300）：市全体の衛生害虫・害獣対策、②各区役所の生活環境課：地域の具体的な相談（東区、博多区、中央区、南区、西区、城南区、早良区）、③福岡市保健所：飲食店や食品製造施設の衛生指導（092-711-4270）、④福岡市動物愛護管理センター：野生動物相談、⑤民間の害獣駆除専門業者：実際の駆除・侵入防止工事（福岡県ペストコントロール協会に加盟している業者が信頼できる）、⑥マンション管理組合：共同住宅での集団対策。被害状況の写真、ネズミの糞・足跡の記録があると適切なアドバイスを受けられます。緊急時は24時間対応の専門業者もあります。

Q16: ネズミ対策で効果的な方法は何ですか?

A16: 福岡市でのネズミ対策は「侵入防止」「駆除」「環境整備」の3つを組み合わせることが重要です。①侵入防止：2cm以上の隙間をすべて金網、金属板、パテで塞ぐ。配管周りは特に注意。マンションは共用部の配管管理も必要。河川沿いの住宅は床下の通気口に金網設置。②駆除：粘着シート（最も効果的）、捕獲器、殺鼠剤を併用。ただし殺鼠剤は子供やペットがいる家庭では慎重に。飲食店では殺鼠剤よりも粘着シートを推奨。③環境整備：食べ物を出しっぱなしにしない、ゴミは密閉容器に入れる、建物周辺の雑草や不要物を除去。④定期点検：3ヶ月に1回程度、侵入口や被害状況を確認。⑤専門業者への依頼：被害が深刻な場合や、高層ビル・飲食店などは専門家に相談。早期発見・早期対応が最も重要です。

Q17: 櫛田神社・住吉神社など神社仏閣でのネズミ対策は?

A17: 福岡市には櫛田神社（博多区）、住吉神社（博多区）、筥崎宮（東区）など歴史的な神社仏閣があります。①木造建築の柱や梁をネズミが齧る被害、②本殿や社務所の天井裏への営巣、③境内の倉庫や宝物館での文化財被害、④電気配線齧害による火災リスク（木造建築では致命的）、⑤参拝者の奉納物（お供え物）がネズミの餌となる問題、⑥櫛田神社の山笠の装飾品保管倉庫での被害リスク、⑦観光客への不快感とイメージ低下、⑧文化財保護法の制約内での駆除方法の検討、⑨殺鼠剤使用の可否（他の野生動物や鳩への影響）、⑩定期的な点検と早期発見体制、⑪境内の清掃と餌となるものの管理、などの対策が必要です。

Q18: キャナルシティ博多など大型商業施設でのネズミ対策は?

A18: キャナルシティ博多、博多リバレインなどの大型商業施設では、施設全体での統一的なネズミ対策が重要です。①飲食店フロアでの厨房管理とバックヤード対策、②地下駐車場からの侵入防止、③ゴミ収集エリアの密閉管理と定期清掃、④各テナントへの衛生管理指導、⑤共用部（廊下、階段、エレベーター）の配管管理、⑥運河沿い（キャナルシティは那珂川沿い）での水辺対策、⑦映画館や劇場での座席下の清掃徹底、⑧搬入口での侵入防止（エアカーテン、防鼠ブラシ）、⑨定期的な専門業者による点検と駆除、⑩観光客への印象管理（特に外国人観光客が多い）、⑪テナント入れ替え時の空き店舗管理、⑫施設管理会社による統括的な対策、などが必要です。

Q19: 東区・南区の住宅地でのネズミ対策は?

A19: 東区（人口約32万人、市内最多）、南区（人口約26万人）は住宅地が広がっており、一般家庭でのネズミ被害が多発しています。①戸建て住宅の床下や天井裏への侵入、②多々良川（東区）、那珂川（南区）など河川沿いの住宅での被害、③古い木造住宅での隙間からの侵入、④ゴミ出しルールの徹底（特に生ゴミの管理）、⑤住宅密集地での隣家からの移動、⑥東区の香椎・千早地区の新興住宅地でも被害（建設時の配管周りの隙間）、⑦南区の大橋・高宮地区の商店街周辺での繁殖、⑧ペットフードの管理（屋外で飼育している場合）、⑨物置や倉庫での段ボール保管時の注意、⑩自治会での情報共有と協力体制、⑪空き家の増加による繁殖地化、⑫子供や高齢者の多い住宅地での健康被害への注意、などの対策が必要です。

Q20: 福岡市全体でのネズミ対策の取り組みは?

A20: 福岡市では、①福岡市環境局環境監視課を中心とした衛生害虫・害獣対策の推進、②7区（東・博多・中央・南・西・城南・早良）での相談窓口設置と住民への啓発、③福岡市保健所による飲食店・食品製造施設の衛生指導と立ち入り検査、④天神地下街など地下空間での特別対策、⑤中洲屋台街の衛生管理強化と観光資源保護、⑥高層マンション増加に伴う管理組合への啓発、⑦河川管理部署と連携した水辺環境の整備、⑧専門業者（ペストコントロール協会会員）との連携体制、⑨食品衛生協会と連携したHACCP対応支援、⑩観光都市としてのイメージ保全（年間約2,000万人の観光客）、⑪空き家対策と連動したネズミ防除、⑫人口増加都市（政令市で増加率1位）特有の都市型ネズミ対策、⑬SNS等での風評被害防止の啓発、⑭大雨・台風時の河川氾濫後の緊急対策、などを進めています。人口165万人を抱える九州の中心都市として、総合的なネズミ対策に取り組んでいます。被害情報の共有と早期対応にご協力をお願いします。

※弊社はネズミ昆虫等防除業保健所登録事業者です。