「ムカデ」といえば見た目が気持ち悪い虫として有名ですよね。また見た目だけではなく、攻撃性や毒もある危険な害虫です。
一度噛まれたことがある人は、トラウマになってしまうこともあるようです。
ムカデが毎年発生する住宅や、一度噛まれたことがある方は夜になると不安になったり、精神的にもよくありません。
暗い場所を好み、布団や靴の中に隠れていることも多いため、いつ遭遇するか、いつ噛まれてしまうかと不安になりやすいようです。ムカデの被害は春から秋にかけて増えるといわれています。
『備えあれば憂いなし』ということで、そんなムカデの生態から駆除・予防方法に迫ってみましょう!
ムカデの生態・特徴と活動時期
分類としては、節足動物 大顎亜門 多足上網 ムカデ網。
その中に含まれる生き物を「ムカデ」と呼びます。
一般的に私達が目にするムカデと言えば
トビズムカデ・アオズムカデ・アカズムカデ・ゲジなどで、
その他大半のムカデが石の下などでひっそりと生活しています。
夜行性のため、日が沈むと同時に活動を開始します。
ムカデ達は脱皮をして成長します。
エサをたくさん食べ、一定期間経過すると拒食をします。
体の色が茶色っぽくなり、薄皮が出来たようになると数時間~数日後には脱皮を開始します。
トビズムカデの場合、4~5年程かけて10回程度の脱皮を繰り返し成長します。
大人になっても栄養状態によって異なりますが、年に1~数回脱皮し、
寿命のある間はずっと脱皮を繰り返します。
ムカデの寿命は、これも種類によって異なるのですが、およそ6~10年、またはそれ以上の寿命があります。
ムカデのからだの特徴
ムカデには、肢(あし)が変化してできた大顎(あご)があります。
この大顎が鋭い牙となっており、獲物に噛みつき毒を注入するのです。
ムカデには、種類によっても異なりますが15~100以上にも及ぶ体節があり、
1つの体節から1対の肢が生えています。
つまり、体節の数の2倍の数の肢があります。
その為、漢字で「百足」と書くように足がたくさんあるということです。
後ろの方にある長い肢は歩く時は使わず、威嚇時に触覚のようにブンブンと動かして
どっちが頭か分からないように相手を惑わせるために使います。
(ムカデは頭を攻撃されると弱いです)
-ちなみに-
多くの肢を持っているムカデですが、なんと敵に襲われると
自分の意志で切り離すことが出来ます。
切れた肢は、数回脱皮すれば元通りに。
ムカデの1年の様子
ムカデは1年のうちの約半分程度、暖かい5月~10月がおもな活動時期になります。
簡単ではありますが、ムカデの活動時期の様子をまとめました。
気温が12~15℃を超えるようになると、
冬眠から目覚め、活動を再開するようになります。
5月から6月頃のジメジメとしてくる時期はムカデは産卵のため、もっとも活動的になります。
草むらや石の下、落ち葉の下などに、一度に10~50個ほどの卵を産みます。卵は1ヶ月前後で孵化します。
子ムカデが脱皮を繰り返すまでエサは食べずに子を守ります。
7月から8月は子育ての時期です。産卵したメスのムカデは、卵や孵化した子ムカデの世話のためあまり動き回らなくなり、オスのみが動き回ります。
猛暑日など暑い日には活動が少し鈍ります。
子ムカデは2ヶ月間に2回の脱皮をし、この頃になると自力でエサを捕れるようになり親離れします。子ムカデは3年で親ムカデになります。
子ムカデが活動を始め、親ムカデも子育てを終えて活動的になり、いずれも空腹で攻撃的になりますので、この時期のムカデは注意が必要です。
気温が15℃以下になってくると冬眠しだします。
ムカデの1年のうち活動期の様子についてみてみましたが、
特に5月~6月と9月~10月は、ムカデ被害が多い季節になります。
ムカデ被害が多い季節 | |
5月~6月頃 | 産卵期のため |
9月~10月頃 | 子ムカデが成長する時期のため |
なお、ムカデは外気温15℃以上で活動することが出来ます。
冬の間は人目のつかない湿気の多い場所に冬眠しています。
被害をもたらす3種のムカデ
日本で生息するムカデの種類は約130種ほどです。
世界では約2700種以上と多くのムカデが確認されています。
その中でも人を噛む被害をもたらす3種のムカデの比較をしてみましょう。
トビズムカデ | アオズムカデ | アカズムカデ | |
写真 | |||
体長 | 8~15cm 稀に20cmを超えるものも。日本最大級 |
約10cm | 4~7cm |
体の特徴 | 個体によって多少異なり、赤い頭に黄色い足を持つものや、朱色の頭と足を持つものなど様々。 | 頭は胴の背面と同じ暗青色足は黄色からオレンジ色で個体によっては青色のものがある。トビズムカデより小型でスマート。 | 頭と足が赤色。(トビズムカデの頭・足が赤いもの)背面は深いオリーブ色。 |
分布 | 北海道南部から沖縄県まで生息 | 青森県以南に生息 | 本州・四国・九州 |
活動時期 | 主に発生する時期は春から秋にかけて。特に5~6月は産卵期のため多く発生する。猛暑である8月は少し活動が控えめになり、9~10月頃になると子ムカデが大きく成長する時期で活発に活動をしだす。15℃以上で活動し、冬の間は冬眠をします。 |
色や大きさ、生息場所などから区別することが出来ますが、あまり大差はないため、一般の方が瞬時に種類まで特定することは難しいかもしれません。
日本に住むムカデは130種になりますが、住宅で発生するムカデ被害の多くは「トビズムカデ」「アカズムカデ」によるものです。
ムカデとよく似た生き物 ムカデとヤスデとゲジの違い
ムカデは非常に脚が多い生き物で、多足亜門、ムカデ網に属する節足動物の総称です。
ヤスデやゲジなどと見た目が似ており、間違われることもありますが、よく観察すると脚の数や長さの違いや毒性の違いなどがあります。
種類 | ムカデ | ヤスデ | ゲジ |
写真 | |||
特徴 | 体の一節から1対の足が出ている。非常に動きが速い。 | 体の一節から2対の足が出ている。 | ムカデ・ヤスデより足が長い。 |
歩き方 | 身体をくねらせて移動する | まっすぐ移動する | 滑るように移動する |
被害 | 毒アゴを持ち噛む。噛まれると腫れや痛みなどが引き起こる。アナフィラキシーの危険性もある。 | 刺激臭のある体液を分泌することがある。ムカデのように噛むことはない。毒アゴもない。 | 積極的に噛むことはない。万が一噛まれても毒性はほとんどない。 |
実際にムカデらしきものを発見した場合、なかなかじっくりと観察できるものではありません。
ヤスデは肉食ではないため人を噛むことはありませんし、毒をもっていませんが、刺激臭のある体液を分泌することがあるため、その分泌物が皮膚についたり、目に入ってしまうと痛みを感じることもあるようですので注意してください。
ムカデの毒について
ムカデに噛まれると非常に痛みがあります。
毒性は種類によって異なりますが、毒の成分には
セロトロンやヒスタミンで、蜂の毒と似ている成分が含まれて激痛を伴います。
特にアカズムカデの毒性が最も強力で
噛まれると激しい疼痛、しびれ、灼熱感、紅斑が起きます。
重症になれば、潰瘍化やリンパ管炎、リンパ節炎などが起きます。
稀に全身症状として、
頭痛・発熱・嘔吐・めまいなどがありますがほとんどの場合、局所的に症状がでるようです。
過去にムカデに噛まれた事がある方は、
アナフィラキシーショックが起こる可能性もあり注意が必要です。
また、乳幼児や噛まれた時の体調によっては脅威になることもあり、
日本でもムカデに噛まれたことにより死亡した方もいます。
ムカデに噛まれたときの対処法
ムカデに噛まれてしまうと非常に激しい痛みが起こります。
患部は腫れ、熱が上がり、リンパ腺炎を起こしてしまうこともあります。
万が一噛まれてしまった場合は、応急処置を行います。
ムカデに噛まれた時の応急処置 | ||
① | すぐにお湯で洗い流す | 43℃以上のヤケドしない程度のお湯で5分以上洗い流す。シャンプーや石鹸で洗い流すとより効果がある。 |
② | ステロイド系の外用薬を塗布 | 出来るだけ強力なステロイド系の軟膏やクリームを広範囲に塗る。スポンジでそのまま患部に塗るようなタイプの薬はスポンジ部分がムカデの毒で汚染してしまう可能性があるので注意が必要。 |
③ | 必要があれば医療機関へ | ムカデの毒は、ハチ毒と同様、急激にアレルギー症状が出てくる場合がある。患部の痛み以外に、 悪寒・頭痛・吐き気などアレルギー症状が出た場合は速やかに病院へ行くこと。 |
特に抵抗力のない小さな子どもや年配の方には注意が必要です。
応急処置をしたあと、医師の診断を受けることが大事です。
ショック状態となり危険な場合もあるので気をつけましょう。
ムカデを室内で発見した場合は、まずは安全を図ります。
ムカデは刺激を与えると非常に早いスピードですぐに噛みにきます。
特に好奇心旺盛な小さなお子様は十分に気を付けてください。
安全を図ったあとは、市販の殺虫スプレーやムカデ用の、凍殺する殺虫剤をスプレーしましょう。
この時ムカデは暴れるので適度な距離を保ってスプレーしてください。
また殺虫スプレーがない場合は、熱湯をかけるといいでしょう。
ムカデは熱に弱いため、熱湯をかけることで死んでしまいます。
火傷に注意しながら行うようにしてください。
熱湯をかけられない場所であれば、ボウルやバケツなどに熱湯を用意し、トングなどでムカデを掴み、熱湯を用意した容器に入れるといいでしょう。
その後動かなくなったことを確認し、処分しましょう。
素手で掴まないようトングや割りばしなどで行ってください。
ムカデを退治する際には噛まれないよう十分注意して行いましょう。
ムカデの潜伏場所と侵入経路
小型のムカデは、主に土の中で生息し、大型のムカデは、森や林の落ち葉の下や
草むら、朽木の中、石垣の隙間などで生息し、これが住宅周りであると
井戸まわり、庭の石や倒木などの下、落ち葉の下、植木鉢の下などで潜伏します。
特に湿った場所、暗くて狭い場所、エサがある場所を好み、
住宅の周囲が、田んぼや畑、沼、林、森などの場合に多く発生しやすいでしょう。
しかし「家の中でムカデを発見した!」「家の中でムカデに噛まれた」など
普段は、暗くて湿った場所などに多くいるムカデがなぜ家の中に侵入するのでしょうか?
まずムカデは肉食です。
そのため、家の中にいるゴキブリや蜘蛛(クモ)などを捕食しに家の中に侵入します。
先ほどムカデの好む場所をご説明した通り、暗くて湿ったクツや布団、洗濯物の中などはムカデの好む環境となっています。
またもともと湿気の多い浴室や排水口はムカデの好む場所です。
家の中でムカデの被害にあう方は、気付かないうちにこういった場所に近づいたときに、噛まれてしまったということがほとんどです。
ムカデの潜伏場所の例 | ||
湿気の多い布団 |
靴の中 |
洗濯機の下 |
浴室 |
排水溝 |
ムカデは動くものに敏感に反応し、捕獲しようと近づくと、ものすごい速さで大暴れし、手当たり次第に攻撃します。
こうした被害を発生させないためにも、しっかりとムカデ対策をしておきましょう。
ムカデ被害を発生させないためには、まずは住宅内に侵入させないことが一番です。
しかし住宅に隙間がある限り、そこから侵入することが可能になってしまいます。
ムカデ(百足)という名前の通り、たくさんの肢を使って、自由自在に移動し、
いつの間にか家の中の天井や床、壁などにムカデがいることもあります。
隙間さえなければムカデは侵入できませんが、
非常に小さな隙間や穴などからでも侵入してくるため注意が必要です。
ムカデの主な侵入口と侵入経路 | |
侵入口 | 侵入経路 |
出入り口 | ヒトが出入りする一瞬の隙に。ドアの上下の隙間などから |
網戸 | 下の隙間や破損個所、閉めていてもわずかな隙間から |
天井裏 | 通気口や隙間などから |
床下 | 畳の間などから |
台所 | シンク下や排水部分などから |
浴室 | 排水部分や換気するための窓などから |
トイレ | 換気するための窓などから |
換気扇 | 閉めていてもわずかな隙間から |
その他 | 住宅のひび割れ、隙間などから |
上記の表のような場所などに注意し、出来るだけ侵入出来ないように工夫するほか、
もしも家の中に侵入された時のために、ホームセンターやドラッグストア等でも
ムカデ用の殺虫剤を準備しておくと、いざという時役に立つかもしれません。
ムカデ対策をしましょう
ムカデ対策としては、「湿気対策」「ムカデを家の中に侵入させない」をしっかりすることが非常に重要になります。
具体的なムカデ対策としては「清掃」が一番有効な手段です。
屋外では「雑草の中」「落ち葉の中」「石」「植木鉢の下」「コンクリートのすき間」などムカデにとっては絶好の場所となってしまいます。
暖かくなる前に、庭の雑草や落ち葉の清掃を行ったり、木を剪定したりすることで、ムカデが棲みにくい環境を作り出し、他の場所へ移動させたり、近寄せないようにすることが重要です。
【注意】
暖かくなる前というのがポイントで、ムカデの活動期となる春頃から草刈りや落ち葉の清掃などをしようとすると、棲み家を失ったムカデが積極的に屋内に侵入してくるようになるからです。
庭などで卵を産まないよう出来るだけ早めに対策をしたいところです。
ムカデは乾燥している場所を苦手としています。ムカデが生息しやすい場所を片付け、暗くて湿気の多い場所を出来るだけ減らしていきましょう。
特に住宅内の廊下や床下のコンクリートなど乾燥した場所を動くと湿気の多い場所で水分を補給しようとします。
そのため屋内では、水分が多く狭くて暗い場所を選んで潜んでいます。
湿気対策をする | 乾燥を苦手とし、湿気を好むムカデに水分の多い場所を与えない。 通気口の前をふさいだり、排水管からの水漏れがないようにする。 床下の湿気には床下換気扇が効果的。 |
住宅周りの清掃 | ムカデのすみかとなる狭い隙間や暗い場所を作らない。 家の周りの草刈りや落ち葉の清掃、不要な石や植木鉢の撤去を行う。 |
ゴキブリの発生をおさえる | 定期的な室内の清掃を行い、食べかす、埃などを除去し、 ムカデの好物であるゴキブリの発生を抑える。 |
薬剤・忌避剤の使用 | 薬剤を家の外周やムカデが生息しやすい場所に散布する。 また、ムカデが嫌う成分やニオイの忌避スプレーや固形物を使用する。 |
室内へ侵入防止 | 使わない排水口は栓をしたり、床板の隙間、羽目板の隙間、エアコンの管、サッシの下など、ムカデが侵入出来そうな隙間や穴などを塞ぐ。 |
基本的にはムカデが好まない環境をつくることで、
室内の侵入を防止したり、敷地内に生息させないことが可能です。
敷地内や室内の清掃はもちろん、侵入口となる隙間や穴、
排水溝なども使用しない場合は塞いでおくなど、
日常生活において少し気を付けると、ムカデ被害に遭う確率は確実に減ります。
とはいえ、相手も生き物ですので、まさかという有り得ない場所から侵入してきたりする場合もあります。
万が一住宅内に侵入してきた時のために、市販の殺虫成分の入った殺虫剤や、
凍殺する殺虫剤等を常備しておくのもよいでしょう。
そのほかにも駆除する方法をまとめましたので、ぜひご覧ください。
どうしてもムカデの侵入がとまらないときは、物理的に侵入できないようにさせる「SCキーパー」を導入してみてはいかがでしょうか?
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日本有害生物対策協会 理事
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・公益社団法人 日本しろあり対策協会シロアリ防除士13510
・公益社団法人 蟻害腐朽検査士 熊本県-17-0042
・一般社団法人 住宅基礎コンクリート保存技術普及協会
住宅基礎コンクリート保存技術士J21-0211
・一般社団法人 熊本県労働基準協会 特定化学物質四アルキル鉛等作業主任者
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・KOBELCO高所作業車第17号ー6・ロープ高所作業91
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